研究課題
1 BMP(Bone morphogenetic protein)処理したマウス血管平滑筋細胞と未処理の細胞からTotal RNAを抽出し、遺伝子サブトラクション法を行った。その結果、HSP27(heat shock protein 27)遺伝子及びαBクリスタリン遺伝子が濃縮された。HSP27遺伝子はTGF-beta処理の有無によるサブトラクション法においても濃縮された。現在、培養細胞内でのHSP27とSmadとの相互作用について解析中である。その他の遺伝子については、サブトラクション法により得られたクローンの数が膨大であったため、Smad-binding活性を指標にTwo-hybridシステムによる2次スクリーニングを行った。その結果、得られた遺伝子について現在解析中である。2 血管平滑筋細胞における遺伝子サブトラクション法の結果から、HSP27及びその他の低分子量ストレスタンパク質が血圧調整因子の候補として考えられた。そこで、TGF-betaスーパーファミリーとの関連が示唆される刺激因子について、その作用を初代培養心筋細胞、血管平滑筋細胞において低分子量ストレスタンパク質のリン酸化を指標に解析した。その結果、(1)PDGF (platelet-derived growth factor)が心筋細胞においてp38MAPキナーゼを介してαBクリスタリンをリン酸化すること、(2)バソプレッシンが血管平滑筋細胞においてp38 MAPキナーゼとは別経路でホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3キナーゼ)/AKTを介してHSP27をリン酸化すること、(3)トロンビンが血管平滑筋細胞においてp38 MAPキナーゼ-AKT経路を介してHSP27をリン酸化すること、更にこの経路は上流に位置するアデニル酸シクラーゼシステムにより制御を受けること、を見出した。
すべて 2005
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Archives of biochemistry and biophysics 438巻2号
ページ: 111-118
ページ: 137-145