【方法】 (1)ヒトpodoplaninのFcキメラタンパクの発現ベクターを作成し、293細胞を用いてタンパクを精製した。それを抗原としてマウスを免疫し、モノクローナル抗体を作成した。ELISA、免疫染色、FACSに使用できるものを検索した。(2)ES細胞をLIFを除いてコラーゲンIV上で分化誘導し、VEGFR2(Flk1)陽性の血管内皮前駆細胞をFACSにて採取した。それをコラーゲンあるいはOP9ストローマ細胞上で3日間分化誘導した。得られた細胞群にリンパ管内皮細胞(LEC)が存在するかどうか免疫染色、FACSで調べた。 【結果】 ヒトpodoplaninに対するモノクローナル抗体を作成した。ELISAにて、24個のクローンを得た。その中から、免疫染色、FACSに使用できるクローン7B10を同定した。7B10抗体によって、LECが免疫染色されている図を示す。7B10にAPCを付加した7B10-APCを用いたFACS解析で、podoplanin発現株が区分できた。 マウスES細胞からのLEC分化誘導マウスES細胞からVEGFR2陽性細胞を採取し、OP9ストローマ細胞上で3日間培養すると、2種類のCD31陽性内皮細胞が分化できた。このうちクラスターを形成するものが、LECのマスター遺伝子であるprox1陽性であることがわかった。FACSにて、VEGR3陽性、podoplanin陽性であることを確認した。 【考察】 今後、抗podoplanin抗体を用いて、腫瘍組織から腫瘍LECを分離培養する。遺伝子発現プロファイルから、腫瘍LECに特異的な遺伝子を同定したい。
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