ES細胞からリンパ管内皮細胞の分化誘導:LIFを除いてコラーゲンIV上でES細胞を分化誘導し、VEGFR2陽性の血管内皮前駆細胞をFACSにて採取した。それをコラーゲンあるいはOP9ストローマ細胞上で分化誘導した。 VEGFR2陽性細胞をOP9ストローマ細胞上で3日間培養すると、prox1陽性、VEGFR-3陽性、podoplanin陽性、のLECに分化誘導された。この分化系を用いて、VEGF-Cとangiopoietin1がLEC文化に必須であるが、その他にOP9 stroma細胞に存在する膜タンパクが不可欠である事も証明した。また、Notch遺伝子の改変ES細胞を用いて、NotchのシグナルがLECを阻害することなど、新しい知見を得た。我々の結果は、ES細胞分化系によって、LECと静脈内皮細胞分化の詳細を明らかにするものであった。これらの成果は、現在論文にまとめて、投稿中である。 リンパ管関連分子の機能解析:Podoplaninの細胞外ドメインにFcをつけたPodoplanin-Fcタンパクを作成した。これを用いてpodoplaninの未知のリガンドとの作用を阻止する。リンパ管内皮細胞あるいはがん細胞でのpodoplaninの機能を検討する。 リンパ管内皮細胞の基礎研究:FACSに使える抗ヒト及びマウスpodoplanin抗体を作成した。これらを用いて、ヒトあるいはマウス腫瘍からがんリンパ管内皮細胞を分離する。正常部リンパ管内皮細胞との相違点をmicroarrayで解析する。
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