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2005 年度 実績報告書

NKG2Dリガンド遺伝子導入による抗腫瘍効果増強の検討

研究課題

研究課題/領域番号 16790443
研究機関東北大学

研究代表者

井上 彰  東北大学, 病院, 助手 (70361087)

キーワード自然免疫 / NK細胞 / RAE-1 / アデノウイルスベクター / 遺伝子導入
研究概要

肺癌に対するNK細胞などの自然免疫を介した抗腫瘍効果増強の検討を目的として、我々はNK細胞膜表面上に発現するNKG2D受容体のリガンドであるretinoic acid inducible early transcript-1β(RAE-1β)のcDNAを組み込んだRAE-1発現アデノウイルスベクター(AdRAE-1)を作製し実験を行った。
AdRAE-1をRAE-1非発現腫瘍細胞株であるEL-4に感染させ、RAE-1に対するポリクローナル抗体を用いたFACSにてEL-4に新たにRAE-1の発現が得られることを確認した後、RAE-1発現EL-4をC57/BL6マウスに移植した。その結果、対照であるAdNull感染EL-4(RAE-1発現なし)では腫瘍の増大が認められたのに対し、AdRAE-1感染EL-4では、腫瘍は完全に拒絶された。さらに、EL-4が増大した状態のマウスに対して、AdRAE-1を1x10^9pfu投与したところ腫瘍増大の抑制効果が認められた(対照のAdNull群では腫瘍増大傾向に変化なし)。
上記の結果に引き続いて、ヒト肺癌における臨床応用を鑑み、共感染させたE1A欠損アデノウイルスベクターをSLPI発現腫瘍内でのみ増殖させるAdSLPI.E1A(Cancer Res 2004:64;4611)をAdRAE-1と併用し、SLPIを発現しているヒト肺癌細胞A549に対する、NK細胞を介した抗腫瘍効果増強の検討を試みた。しかし、A549については移植マウスにおける腫瘍増大が抑制できなかった。
上記の結果は、アデノウィルスによるNKG2Dリガンドの遺伝子導入が、自然免疫系を介した腫瘍制御の戦略として有用である可能性を示唆するものの、対象となる腫瘍細胞の特徴によってその効果が異なることも明らかとなり、その機序の解明にはさらなる研究が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] A phase II study of weekly paclitaxel combined with carboplatin for elderly patients with advanced non-small cell lung cancer2006

    • 著者名/発表者名
      Inoue A
    • 雑誌名

      Lung Cancer 52

      ページ: 83-87

  • [雑誌論文] Gefitinib should be cautiously administered to poor performance status patients with non-small-cell lung cancer : Results from a prospective feasibility study2005

    • 著者名/発表者名
      Hotta K
    • 雑誌名

      Lung Cancer 50

      ページ: 413-415

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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