研究概要 |
肺ガン細胞の培養上清の精製 10% FBS DMEMで肺ガン細胞A549を培養したconditioned mediumに、ヒト肺線維芽細胞MRC-5の形態変化を誘導する活性を見いだした。conditioned mediumをVIVA SPIN(限外ろ過膜)で分画し、MRC-5に対して処理した時にstellate cell様の形態変化が誘導されるかどうかについて調べた。そめ結果、形態変化が誘導され、その生理活性物質は、分子量3000以下のconditioned mediumに含まれることがわかった。さらに、分画したconditioned mediumを加勢しても、失活しないことがわかった。現在、ゲル濾過カラムを用いて分画し、活性を調べている。 筋線維芽細胞の遺伝子およびタンパク質発現変の検討 これまでの実験から、MRC-5の形態変化にはMAPKが関与していることが考えられたので、conditioned mediumで処理したMRC-5を経時的に回収しERKのリン酸化を調べた。その結果、時間依存的にα-SMAの発現が減少していくのに相関して、ERKがリン酸化されることがわかった。さらにERKの阻害剤,PD98059で細胞を処理すると形態変化が抑制された。以上の結果から、A549による形態変化はERKを介していることが示唆された。今後の予定としては、RNAiを用いてERKの遺伝子発現等を抑制した筋線維芽細胞で、α-SMAおよびstellate cellへの形態変化に関わるメカニズムについて調べていきたいと考える。
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