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2005 年度 実績報告書

マグネシウム輸送体のクローニングおよびその機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 16790469
研究機関自治医科大学

研究代表者

佐藤 順一  自治医科大学, 医学部, 助手 (80287242)

キーワードマグネシウム / 輸送体 / 腎臓
研究概要

Mg輸送体は植物や細菌では見つかっているが、哺乳類では未だ見つかっていない。植物のMg輸送体はAtMHXと呼ばれ、Mg/H交換体である。このAtMHXはヒトのNa/Ca交換体(NCX)に似ており、且つその細胞内ループ部位がNCXに比べて非常に短いという特徴を有している。これから、哺乳類のMg輸送体もNCXに相同性を持ち、且つその細胞内ループ部位が短いのではないかという仮説を立て、クローニングした(JSX)。JSXの一次及び二次構造を解析してみると、NCXに相同性を持ち、且つその細胞内ループ部位が非常に短いというAtMHX同様の特徴を有していた。JSXの組織分布を見てみると、腎臓、心臓、脳及び膵臓に発現しており、特に腎臓では近位尿細管、遠位尿細管にのみ存在していた。この部位は腎臓におけるMg再吸収部位と一致しており、JSXがMg輸送体である可能性を強く示唆していた。JSXを培養細胞に強制発現することにより、JSXの機能解析をおこなった。ある条件下ではNaが細胞内に流入し、Mgが細胞外へ排泄され、細胞内は脱分極を起こした。細胞外のMg濃度を低くすると、この交換体の動きが強くなった。低Mg血症は心不全、糖尿病や高血圧を悪化の方向に導くことが知られている。JSXは心臓、膵臓(β細胞)、血管平滑筋に存在している。これらを合わせると、JSXが心臓においては脱分極による不整脈(心不全悪化時)、膵β細胞においてはインスリンの過剰分泌(高インスリン血症およびインスリン分泌低下)、そして血管平滑筋においては過剰収縮(血圧上昇)に関与している可能性が示唆された。LamasonらはJSXがメラノサイトに存在し、色素沈着に関係するとの報告をおこなった(R.L.Lamason et al.,Science 310,1782(2005))。白色人種においてはJSXにmutationが起き機能不全となり、メラノサイトの活性が落ちて皮膚の色が薄くなるとの報告であった。彼らはJSXの機能解析はしておらず、我々の研究結果と併せて今後ともJSXの生理的意義を解明していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Mg輸送体蛋白2006

    • 著者名/発表者名
      佐藤 順一, 鈴木 誠
    • 雑誌名

      日本臨床 64・2

      ページ: 153-157

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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