研究概要 |
1)BALB/cマウス(血清IgA低値、IgA分子では単量体が中心)とHIGAマウスとの交配により、244のF2マウスを作成し、維持した。これらを、40週まで飼育して、血中IgAと糸球体のIgA沈着を観察した。 2)マイクロサテライトマーカーを1染色体について6〜10個合計105御選択した。 3)F2マウスの肝臓よりDNAを抽出し、PCR,SSLPprimerにて40cyclePCRの後、5%アガロースゲルにて電気泳動を行い、各マイクロサテライトマーカーの遺伝子型をHIGA型、BALB/c型に分け、表現型(IgA値、高IgA値と糸球体IgA沈着)とマーカーの遺伝子型との連鎖をt検定およびQTL解析ソフト「Qgene」を用いてlogarithm of odds(LOD)値を用いて決めた。 4)現在までの所、高IgA値に関しては2個の確かなQTLが染色体2番(LOD=5.01)染色体4番(LOD=4.45)に、近似のQTLが染色体1番(LOD=3.49)に確認されている。 5)また、糸球体IgA沈着に関しては、染色体15番に見いだされた。 以上の結果は、まとめて現在投稿中(Nogaki F, Tahara S et al. Kidney Int)である。 一方、F2マウスの血中IgA値と腎沈着IgAの強度の相関については、さらに今後検討するところである。
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