研究概要 |
1.新規タウ分子種特異抗体作成 新規タウ蛋白のC末端側の特異配列Cys-PGGGKEVARKWをウサギに免疫し抗血清をCys-EVARKW吸着によるアフィニティークロマトグラフィーで精製し、新規タウ分子種特異抗体を作成した。 2.新規タウ分子種cDNA作成、培養細胞への遺伝子導入ならびに恒常発現細胞株の作成 新規タウ分子種発現細胞を作成するため、RT-PCRにより得られたcDNAを真核細胞発現ベクター(pCDNA3.1/zeo)にクローニングし、CHOやB103培養細胞へ遺伝子導入し、遺伝子発現を確認後、Zeocin薬剤耐性により恒常発現細胞株を作成した。 3.タウ特異抗体の特異性の検証 作成した新規タウ分子種特異抗体抗体についてはCHO細胞に各種タウ蛋白を発現させ、ウエスタンブロット解析や吸収試験を行い、新規タウ蛋白のみを認識することを確認した。 4.新規タウ分子種発現ならびに病的意義の検討 作成した特異抗体を用いて対照症例、アルツハイマー病の脳ホモジネート各種海面活性剤(Triton-X, Sarcosyl)による蛋白画分のウエスタンブロット解析を行い、タウ蛋白発現の検討を行った。新規タウ蛋白分子種はTris可溶性画分にみられ、Sarcosyl不溶性画分には発現はみられなかった。同抗体を用いて海馬脳標本の免疫組織学検討を行った。新規タウ蛋白分子種は海馬CA3/4領域に神経細胞や顆粒細胞に発現を認めた。
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