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2004 年度 実績報告書

脂質合成転写因子によるインスリン分泌障害の検討と日本人型の糖尿病モデル動物の確立

研究課題

研究課題/領域番号 16790505
研究機関筑波大学

研究代表者

高橋 昭光  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70344893)

キーワード脂肪毒性 / インスリン分泌 / SREBP-1c / 動物モデル / 膵ランゲルハンス氏島 / 2型糖尿病 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス
研究概要

日本人の2型糖尿病の病態は欧米人と異なり,非肥満で発症初期からインスリン分泌不全をともなう症例が多く,脂質摂取量が増加と共に糖尿病患者数が急増していることから,日本人に適した新しい治療法を視野に入れた病態進行の把握のためには,膵β細胞での脂質がインスリン合成・分泌に影響するメカニズムの解析が重要である.Sterol regulatory element-binging protein-1c (SREBP-1c)は脂肪合成を支配する転写因子で,糖代謝・インスリン作用との関連が示唆されている.今回ラットインスリンプロモーターI支配下でSREBP-1cを発現するトランスジェニックマウス(TgRIP-SREBP1c)を作成し,同転写因子がインスリン分泌に及ぼす影響を検討した.TgRIP-SREBP1cマウスにおいて,ブドウ糖負荷試験では対照群よりも高血糖・低インスリンの耐糖能障害を,単離ラ氏島ではラ氏島における脂肪蓄積量の増加,野生型対照群と比較におけるラ氏島の大きさ・数の減少,ブドウ糖応答性インスリン分泌の減少を認めた.ラ氏島のATP含量はTgRIP-SREBP1cマウスで有意に減少し,ブドウ糖酸化も減少する一方,ラ氏島におけるブドウ糖からの脂肪合成は増加し,UCP-2遺伝子の発現増強もみられることから,内因性脂肪合成やSREBP-1cの発現増加が脂肪毒性と同様の機序でインスリン分泌障害を来たす可能性があると考えられた.さらにTgRIP-SREBP1c群のラ氏島でPDX-1遺伝子の発現は低下しており,トランスジェニック群のラ氏島の小径化や数の減少に関連している可能性が示唆された.以上より,SREBP-1cならびに内因性の脂肪合成はβ細胞の機能障害を来たし,糖尿病と関連する可能性があると考えられた.現在,SREBP-1ノックアウトマウスの耐糖能・膵島機能の解析を進めている.

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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