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2004 年度 実績報告書

チアゾリジン誘導体の抗動脈硬化作用におけるアディポサイトカインの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16790521
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

佐藤 哲子  独立行政法人京都医療センター臨床研究センター, 臨床代謝栄養室, 室長 (80373512)

キーワードメタボリックシンドローム / インスリン抵抗性 / 動脈硬化 / チアゾリジン誘導体 / レプチン / アディポネクチン / AMPK / PWV
研究概要

1)動硬硬化巣の血管平滑筋細胞アポトーシスやシグナルに対するTZDsの作用の検討
動脈硬化巣構成細胞である血管平滑筋細胞(VSMC)において過酸化水素または酸化LDLで刺激し酸化ストレスによるアポトーシスを誘導し、TZDsのひとつであるPioglitazone(Pio)を種々の濃度で加えたところ、TUNEL染色法によりその誘導されたアポトーシスが抑制されるのを認めた。またVSMCにおいて、Pioの投与によりMAP kinaseやERKのリン酸化などが抑制され、VSMCの増殖が濃度依存性に抑制された。更にAMPK(AMP-activated protein kinase)は細胞内エネルギーメーターであり、酸化LDLなどの酸化ストレスにより血管構成細胞のAMPKは亢進するが、今回VSMCにおいてPioによりAMPKに下流であるAcetyl-CoA carboxylase(ACC)のリン酸化の亢進がWestern blot法にて認められた。
(2)肥満合併糖尿病患者における血中レプチン・アディポネクチンの比とPWVの相関およびTZDsの抗動脈硬化作用
Pioは抗動脈硬化作用を有するが、脂肪細胞由来のアディポネクチン(A)は抗動脈硬化作用を、レプチン(L)は動脈硬化促進作用を報告されている。今回当院倫理委員会で承認された同意書のある肥満合併2型糖尿病60例において血中L、Aと大動脈脈波伝播速度(PWV)を測定した。LとA単独ではPWVと有意な相関は認められないが、L/A比はPWVと有意な相関を認めた。L/A比が高値になるにつれ、PWVが上昇していた。又Pio投与によりL/A比は有意に低下し、その低下率とPWV低下率には相関が認められた。肥満合併糖尿病のメタボリックシンドロームでは、L/A比の測定は動脈硬化進展の生化学的な指標として有用である可能性が示唆され、TZDsの抗動脈硬化作用とも関連していた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 2003

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Leptin-to-adiponectin Ratio as a potential atherogenic index in obese type 2 diabetic patients.2004

    • 著者名/発表者名
      N Satoh, et al.
    • 雑誌名

      Diabetes Care 27

      ページ: 2488-2490

  • [雑誌論文] Antiatherogenic effect of pioglitazone in type 2 diabetic patients, irrespective of the responsiveness to its antidiabetic effect.2003

    • 著者名/発表者名
      N Satoh, et al.
    • 雑誌名

      Diabetes Care 26(9)

      ページ: 2493-2499

  • [図書] 糖尿病これで安心 一人ひとりに合わせた生活習慣の改善のために2004

    • 著者名/発表者名
      佐藤哲子, 葛谷英嗣, 山田和範
    • 総ページ数
      207
    • 出版者
      国立病院機構糖尿病診療ネットワーク

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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