研究概要 |
我々は以前、蛇毒蛋白rhodocytinがtyrosine kinase依存性でありながら、tyrosine kinase依存性に活性化信号を惹起するcollagen受容体glycoprotein VI/FcRγ-chainには非依存性に、血小板凝集を惹起することを報告した(Suzuki-Inoue K, Ozaki Y, Kainoh M, Shin Y, Wu Y, Yatomi Y, Ohmori T, Tanaka T, Satoh K, Morita T. Rhodocytin induces platelet aggregation by interacting with glycoprotein Ia/IIa (GPIa/IIa, Integrin alpha 2beta 1). Involvement of GPIa/IIa-associated src and protein tyrosine phosphorylation. J Biol Chem.2001 276(2):1643-52.)。rhodocytinはintegrin α2β1とGPIb-IX-Vに結合するが,integrin α2サブユニットやglycoprotein Ibαの細胞外部分を欠如した血小板でも凝集を惹起できる。よってrhodocytinの真の活性化受容体は不明であり、いままで報告されていない新しい血小板活性化メカニズムにより血小板凝集を惹起すると考えられる。 本研究ではrhodocytinのaffinity chromatographyとmass spectrometryによる解析を行い、rhodocytinに結合する32kDaの血小板上受容体を同定した。解析の結果、この蛋白がrhodocytin受容体であるという確かな証拠を得、その活性化メカニズムについて興味深い知見を得ているが、特許申請の関係上、詳細は平成17年8月5日以降に報告する。
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