研究概要 |
PCRを用いてMusashi1,Musashi2,HoxA9遺伝子を増幅し、クローニングベクター(pCR-ScriptII)に組み込みクローニングした。HoxA9については選択的スプライシングによると考えられるVariantが存在したため、これも同様にクローニングした。また、Musashi2/HoxA9融合遺伝子クローンについては両遺伝子の融合部にプライマーを設計しPCRを駆使して作製した。すべてのクローンに関してシークエンシングを行い、配列を確認した。次に、クローニングした各遺伝子をレトロウィルスベクター(pMSCV-ires-GFP : pMIG)に組み込み、レトロウィルスを作製した後、K562細胞への遺伝子導入を行った。遺伝子導入効率はGFPを指標にして解析したところ5%〜30%であった。各遺伝子を導入したK562細胞についてPMA(phorbol12-myristate 13-acetate)刺激による巨核球系への分化を解析した。巨核球系への分化をCD41,CD61の発現誘導を指標に解析したところ、遺伝子未導入K562細胞と各遺伝子を導入したK562細胞とでは全く差は見られなかった。また、NaB(sodium butyrate)刺激による赤芽球系への分化についても、ヘモグロビンの合成やGPAの発現を指標に解析したが同様に差が見られなかった。当該遺伝子の発現抑制については、siRNA発現ベクターをすでに構築しており、今後、K562細胞に導入していく予定である。またマウス血液前駆細胞、ヒト臍帯血、ES細胞でのMusashi Family遺伝子、HoxA9の発現解析およびその機能解析についても、今後行う予定である。
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