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2004 年度 実績報告書

インフルエンザ脳症の疾患感受性遺伝子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16790580
研究機関徳島大学

研究代表者

山田 博司  徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (30343304)

キーワードインフルエンザ感染 / インフルエンザ脳症 / ミトコンドリア機能障害 / VDAC / プロテアーゼ
研究概要

インフルエンザ感染、解熱剤投与によって、ミトコンドリアの機能傷害が発生することで、細胞膜上のアニオンチャネルタンパク質VDACの異常な発現増加を惹起する。続いて、このチャネルタンパク質と相互作用するプロテアーゼが細胞膜上に蓄積し、プロテアーゼ活性により、血液脳関門を構成する内皮細胞を破壊し、脳浮腫が発症するという仮説にもとづいて、本研究を進めた。
インフルエンザ感染させたC57BL/6Jマウスの脳から、mRNAを抽出し、RT-PCR法により、チャネルタンパク質VDAC-1、VDAC-2、VDAC-3 mRNAを定量した。その結果、VDAC-1 mRNAは約6倍の増加が認められた。VDAC-2、VDAC-3 mRNAは3、4倍程度の増加が認められた。同様に、解熱剤として、インフルエンザ脳症を増悪させるアスピリン、ボルタレンをマウスに投与して、mRNAを定量した。両解熱剤によって、VDAC-2、VDAC-3 mRNAは3、4倍程度の増加を示し、VDAC-1 mRNAは約7、8倍の増加が見られ、インフルエンザ感染の場合と同程度であった。脂肪酸代謝異常を持つマウスでは、生来的にVDAC-1、VDAC-2、VDAC-3 mRNAの発現が高く、インフルエンザ感染および解熱剤投与したC57BL/6Jマウスでの発現と同程度であり、インフルエンザ脳症患者にはミトコンドリアの代謝障害を持つことが多いという臨床検体の解析結果と一致した。なお、ウエスタンブロットにより、このmRNAの発現増加により、タンパク質の発現が増加していることを確認した。
以上の結果から、3種のチャネルタンパク質の発現増加がインフルエンザ脳症の発症危険因子であることが確認されたので、モノクローナル抗体作成のために、ヒト細胞から、遺伝子をクローニングして、大腸菌で発現させた。現在、これら3種のチャネルタンパク質を精製中である。精製後はマウスに免疫し、3種のチャネルタンパク質と反応するモノクローナル抗体を作成する。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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