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2004 年度 実績報告書

胎盤形成において絨毛細胞の機能分化を制御する遺伝子群の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16790609
研究機関九州大学

研究代表者

福嶋 恒太郎  九州大学, 大学病院, 助手 (40304779)

キーワード絨毛細胞 / 血管内皮様分化 / VEGF / TNFα
研究概要

絨毛外トロフォブラスト(EVT)の機能異常が流産や妊娠中毒症など妊娠維持機構の破綻と考えられる疾患の病態形成に関わっていることから、EVT機能分化は生理的妊娠の成立と維持に深く関与していると考えられている。EVT分化の制御機構はいままで不明であったが、我々はこれまで脱落膜や子宮内膜に存在する液性因子が細胞外マトリックスとの相互作用のもとでEVT分化を制御している可能性を明らかにしてきた。
そこで、本研究ではEVTの細胞分化にかかわる因子を決定するとともにこれがEVTにもたらす遺伝子変化を明らかにすること、さらにその生物学的意義をin vivoで検証すること、を目的とした。
今年度は、
1)液性因子による血管内皮特異的integrin分子発現の変化とその生物学的意義をリアルタイムPCR、RTPCR、免疫ブロットならびに免疫染色を用いて、
2)マトリゲル添加培養時のtube-like formationにおける遺伝子変化についてDNAマイクロアレイを用いて、
ヒトEVT不死化細胞株TCL1において、それぞれ検討した結果
1)TNFα、VEGFは血管内皮特異的なintegrin αVβ3サブユニットの発現を誘導するとともに、これらのサブユニットからのシグナルは血管内皮分化および細胞死の制御に関わること、
2)TCL1細胞が血管内皮様の形態変化にともなってHIFの上流に存在し低酸素状態で誘導されるユビキチン関連タンパクSIAH1発現が誘導されること
が、明らかとなった。
以上よりTNFα,VEGFとintegrinによるシグナルが胎盤形成におけるEVTの浸潤のみならず血管内皮への分化制御にも関わると考えられ、また酸素濃度等による調節機構が存在することが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Investigation on the molecular regulation of Extravillous Trophoblast differentiation in placentogenesis2004

    • 著者名/発表者名
      Fukushima K et al.
    • 雑誌名

      Proceedings of 14th Fukuoka international symposium of Perinatal Medicine

      ページ: 65-73

  • [雑誌論文] 胎盤形成におけるExtravillous trophoblast(EVT)分化調節機構と妊娠中毒症

    • 著者名/発表者名
      福嶋恒太郎
    • 雑誌名

      妊娠中毒症学会25周年記念誌 (印刷中)

  • [雑誌論文] Regulation of extravillous trophoblast differentiation

    • 著者名/発表者名
      Fukushima K et al.
    • 雑誌名

      The Textbook of Perinatal Medicine(A Kurjak(Edi)) (In press)

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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