研究概要 |
1)DFS70蛋白質内の自己免疫エピトープを明らかにした。自己免疫エピトープは1箇所だけであり,86アミノ酸を必要とするconformational epitopeであった。(J Autoimmun 23:219-229,2004)。 2)円形性脱毛症患者において有意に本抗体陽性者が多いことがわかった。(J Autoimmun 23:255-264,2004)。 3)抗DFS70抗体の定量的検出法として高度に精製したDFS70大腸菌由来リコンビナント蛋白を用いたELISAを確立した。これは感度,特異度とも現在市販されている抗ENA抗体の測定キットと同等の性能を有したので,臨床応用が十分可能であると考えられ,現在,ある検査会社との共同開発研究が進んでいる。抗核抗体検査は膠原病のスクリーニングとして重要な検査であるが,以前よりその偽陽性に関しての解釈が常に問題となっている。健常人における抗核抗体の特異性が明らかとなれば,その同定は臨床の場で非常に有用である。597名の病院職員の検体を用いて調べたところ,その2割に抗核抗体が陽性であり,驚くべきことに,低い抗体価にとどまるものが多いものの,その半数(つまり全体の1割)が抗DFS70抗体であることが判明した。対照の200名の膠原病患者には同抗体は殆ど検出されなかった。これは同抗体の検出が臨床の現場で医療コストの削減にもつながる可能性をもつ意義深い発見で,膠原病学の最も権威のある雑誌Arthritis & Rheumatismのeditorialにとりあげられた。(Arthritis Rheum 50:1239-1247,2004)。 4)正常表皮におけるDFS70抗原の局在を調べた。 5)培養ヒト表皮細胞におけるDFS70抗原の発現を制御するサイトカインを調べた。 6)各種皮膚疾患におけるDFS70抗原の局在パターンを同定した。
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