研究概要 |
本年度はヒト表皮細胞の初代培養系を確立するとともに、マウス表皮細胞の初代培養系の樹立を行った。マウスにおける表皮細胞の長期培養は困難であったが、特殊なマウス表皮細胞用の培地を用いることによりはじめて長期培養が可能となってきた。ヒトのおける系においては、培養ヒト表皮細胞より、mRNA, cDNAを調整し、既報の配列情報に基づいてプライマーをデザインし,バニロイドレセプターmRNAの発現の情報を得ている。今後、培養角化細胞の増殖過程、高カルシウム培地で培養した場合、各種サイトカイン刺激におけるTRPV1〜6遺伝子発現について、PT-PCR、およびノーザンハイブリダイゼーションにより検討し、角化細胞で発現するメンバーを同定する予定である。 マウス角化細胞の培養系の樹立により、培養細胞からのmRNA, cDNAを調整し、ヒト角化細胞同様にTRPV1〜6遺伝子発現について、PT-PCRで発現を確認する予定である。 一方、ケラチン14プロモーターの下流に表皮特異的TRPVメンバーのcDNAを組み換えた遺伝子を構築し、直線化の後に、マウス受精卵にマイクロインジェクションし、トランスジェニックマウスを作製する予定であるが、遺伝子導入マウス樹立予定遺伝子の配列の特殊性から、組換え体の作成に技術な困難がある。現在、この問題を克服のための努力を行い、組換え体の作成を目指している。
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