研究課題
上記研究課題に対して、16年度の研究計画に基づき、横浜市立大学医学部附属病院の症例を中心に、書面により同意の得られた、臨床的に副作用が生じ易い患者20名と対照23名を対象とした。患者に関しては、患者情報や診断、服薬内容などの臨床データをデータベース化し、さらに末梢静脈採血を行い、対照群を含めて43例のDNAの抽出処理と保存をした。その中には悪性症候群や重度の錐体外路症状を生じた患者も含まれている。これらの症例について、PCRとRFLPにより、CYP2D6の各種遺伝子多型やセロトニン受容体遺伝子多型を同定し、薬理遺伝学的検討を行った。また、18例について複数のポイントで採血を行い、HPLCにより薬物血中濃度を測定した。現在蓄積しているデータを基にした我々の予備的研究では、臨床的に副作用が生じ易い症例に、CYP2D6*5をもつ頻度が高かった。さらに症例数を蓄積し、統計学的解析を加える必要があるが、悪性症候群が生じた2症例と、低用量の抗精神病薬で重度な錐体外路症状が生じた1症例については、各々国外誌への症例報告を行った。CYP2D6*5についての研究は症例数の少なさのために数少ないが、CYP2D6*5の個体への影響は大きいと考えられる。今後も、さらに症例数を増やして、各種遺伝子多型とそれぞれの副作用について関連研究を行う必要性があると考え、計画書の通りに、17年度以降も研究を継続していく予定である。我々の研究室で蓄積した過去のデータの活用も考えている。
すべて 2005 2004
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