乳腺の非触知石灰化症例に対して、診療用マンモグラフムの他、超音波、乳腺MRI、乳腺CTを施行し、54症例の蓄積を行った。非触知石灰化病変の診療用マンモグラフムの読影実験を行った。読影は4名の乳腺画像診断を専門としている放射線科医によって行われた。マンモグラフィ専用の高輝度シャウカステンを用いたフイルム読影と、フイルム情報を現有のコニカ社フイルムデジタイザーLD5500を用いてDICOMデータにデジタル化させ、高精細液晶モニタにて画像を表示し読影を行った。評価項目は、石灰化病変の分布、形状について読影し、さらにマンモグラフィーガイドラインを参照としたカテゴリー分類による良悪性判定、さらに経過観察、要生検などの方針について判定を行った。読影の結果を、それぞれの読影環境において、診療用マンモグラフィの診断能、読影者間の一致性、再現性を統計学的に検討中である。さらに、これらの結果を病理学的結果、超音波検査など他画像検査の臨床的結果と比較した。これらの中で非触知石灰化乳癌に対しては、現有の16列マルチスライスCT(東芝社製)、3テスラ高磁場MRI(Siemens社製)の撮像データから、ワークステーションを用いて三次元画像を作成し、乳房温存術へのシミュレーションに活用した。切除標本を顕微鏡学的に検討し、病理学的にシミュレーションによって摘出された標本切除範囲で病巣が切除し得たか検討をし、続行中である。
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