1)ビジュアルトレーニング理論を導入したトレーニングプログラムについて これまでのドライボックスのトレーニングに加えて、ビジュアルトレーニング理論を導入する点が我々の提唱している新しいトレーニング方法である。内視鏡手術の技術修得で難しいとされる内視鏡下止血術について、オリジナル学習ビデオ(CD-ROM)を作成した。内容は、ブタでの操作と実臨床の二部構成とした。ブタでの操作は、止血場面を1.血管損傷、2.出血部位不明状況、3.同時に数箇所の出血、4.大血管損傷、5.実質臓器損傷の5つの状況設定を行い繰り返し見ることで学習可能なように作成した。実臨床のトレーニングビデオは、これまでの臨床例の腹腔鏡補助下幽門側胃切除ビデオから作成した。 2)ビジュアルトレーニング理論を取り入れた講習会は、平成18年10月8日、9日に第1回を実施した。チューター3名に対し受講者6名で指導した。1日目に大阪大学未来医療センターにて基本手技を結紮・縫合を中心にドライボックスを用いてトレーニングを行った。同時にバーチャルリアリティーシュミレーターを用いてトレーニング前と後の技術評価を行った。当日夜は、ビジュアルトレーニングを行う群と行わない群にわけ無作為比較試験を行った。行う群は、ビデオを渡して各自でビデオ学習を行った。2日目は、ジョンソンエンドジョンソン動物実験施設(福島県)を使用し、ビジュアルトレーニングを施した群と施していない群についてブタの止血を実際に行い習熟度評価を行った。評価方法は、止血までの時間とビデオを用いて第三者評価を行った。
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