初めに、インターネットで公開されているNCBIのラットESTデータベースからヒトGCF2との相同性を有するEST配列を拾い上げ、それぞれの共通部分をライゲートし、全長2178塩基のラットGCF2、1860塩基のラットGCF2-SKの塩基配列を予測した。適切なprimerを用いて、ラット肝、骨格筋polyA RNAを用いてRT-PCRを施行。得られたフラグメントをライゲーションして、翻訳領域のcDNAを得た。さらに5'、3'-RACE法によりほぼ全長となるcDNAをクローニングした。 次いでこのcDNAをHis融合蛋白発現ベクターに組み込み、NIH3T3細胞にトランスフェクトし、His抗体によるウエスタンブロット法にて発現を確認。GCF2ではベクターによる強制発現が確認されたが、GCF2-SKの発現は確認されなかった。同様にE-coli発現系を用いてラットGCF2、GCF2-SK His融合蛋白の回収を試みたが、GCF2蛋白は比較的良好な回収が得られたが、GCF2-SK蛋白の回収は非常に困難であった。 これらの発現ベクターとNFκB、Sp-1結合配列組み込みレポーターベクターとのco-transfection assayにて、ヒトGCF2と同様、一定のプロモーター抑制活性を有することを確認した。 今後、発現解析を進める上で、抗体作成は必須と考えている。筋特異的発現蛋白であり、培養細胞やバクテリアでの発現を抑制する系の関与が想定されたため、今後、抗体作成のため合成ペプタイドの免疫を行なう予定でいる。
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