研究概要 |
1,進行大腸癌40症例に対し、手術標本または、内視鏡生検の腫瘍部の凍結標本からmRNAを抽出し、C-DNAライブラリーを作成した。 2,Semi-quantitative real time-PCR法で内部標準となるβactinとの比をとり,Thymidylate synthase (TS)遺伝子発現量を測定した。さらに、薬剤感受性を規定すると予測されるDPD, MDR1,TOP1,βtublin3の4種の遺伝子発現量についても測定した。 3,同検体の腫瘍部と、正常大腸粘膜組織のparaffin包埋切片からLaser Captured Microdissection (LCM)を用いて必要な細胞だけを採取し、DNAを抽出し、TSの多型性およびLOHの有無について測定した。抽出されたDNAを用いて、direct sequence法にて塩基配列を測定したところ、double repeatの領域にSNPがあることが推測された。今後の検討により、TS mRNA発現量および、TS酵素活性との因果関係について解明する予定である。 4,対象症例の進行大腸癌40症例に関して、手術所見、病理所見、術後補助療法の有無等の臨床データを収集した。今後、術後化学療法の評価、術後再発の経過、無再発期間、予後について経過を追って行く予定である。 5,さらに来年度に向けて症例を蓄積していく予定である。
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