研究概要 |
前立腺癌は発生初期にはホルモン依存性であり、前立腺癌のホルモン非依存性となるメカニズム、すなわち再燃機構の解析はtranslational researchにおいて非常に重要と考えられる。 アンドロゲン受容体(AR)の転写はcoactivator, corepressor等のcofactorにより調節されている。Changらのグループは前立腺癌細胞株からARA70をはじめARA55などいくつかのARのcofactorをcloningしている。これらはARのリガンド特異性を変化させARの転写を上昇させることにより前立腺癌の再燃に関与している可能性がある。以前の我々の検討ではARA55の発現レベルが高いほど再燃前立腺癌において予後が不良であることを明らかにした(Miyoshi et al. Prostate,2003)。AR cofactorの前立腺癌再燃への関与が明らかとなれば前立腺癌再燃の予防または再燃前立腺癌に対する治療への応用が期待される。今回我々はAR cofactorの臨床検体での発現を解析し、そのprofileから前立腺癌の再燃に関与するAR cofactorを同定しAR cofactorの前立腺癌再燃メカニズムへの関与を解明することを目的に研究を計画した。まず、正常前立腺、未治療前立腺癌、再燃前立腺癌凍結組織よりRNAを抽出しcDNAを作成した。ARA70、GRIP1,他のAR cofactorのprimerを作成しTaqman PCRを用い定量PCRを行った。現在発現解析結果をprofile中である。
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