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2005 年度 実績報告書

プロゲスチン製剤の種類による血管内皮機能に及ぼす効果の違い

研究課題

研究課題/領域番号 16790936
研究機関山形大学

研究代表者

阿部 亜紀子 (森 亜紀子)  山形大学, 医学部, 助手 (30359567)

キーワードエストロゲン / MPA / プロゲステロン / 一酸化窒素 / プロゲステロン受容体 / 血管内皮細胞
研究概要

ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)において、メドロキシプロゲステロンアセテート(MPA)は、エストロゲンによる一酸化窒素(NO)の産生と内皮型NO合成酵素(eNOS)の活性化を減弱させるが、MPAはNO産生とeNOSのリン酸化や活性化に直接的には影響を与えなかった。しかしながらプロゲステロンはエストロゲンのNO産生とeNOSの活性化を減弱させなかった。
さらにそのメカニズムとして、エストロゲンによるeNOSの活性化は、エストロゲン受容体(ER)αを介して、MAP kinaseやprotein kinase B(Akt)を活性化するnon-genomicな反応であるといわれているが、MPAはエストロゲンによるAktのリン酸化を減弱させた。
またプロゲステロン受容体阻害剤であるRU486を負荷することによって、これらのエストロゲンによるAktやeNOSのリン酸化に対するMPAの影響は完全に消去させられた。つまりこのMPAの反応は、プロゲステロン受容体を介するものと考えられた。転写抑制剤であるactinomycin Dを用いても、MPAはエストロゲンによるAktのリン酸化を減弱させた。よって、non-genomicな反応であることが示唆された。
血管内皮細胞にはプロゲステロン受容体(PR)AとPRBがあるので、COS細胞にERα、PRAとPRBの発現ベクターを導入したところ、同様に、MPAはエストロゲンによるAktのリン酸化を減弱させた。
これらより、MPAはエストロゲンによるAkt経路を介するNO産生を、non-genomicなPRAもしくはPRBを介して減弱させることがわかった。
これらの結果より、エストロゲンによる血管内皮細胞における抗動脈硬化作用に対してMPAは抑制的に働くのではないかと考えられたが、プロゲステロンにはその作用がなく、ホルモン補充療法に応用できる可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Impact of Menopause on the Augmentation of Arterial Stiffness with Aging.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi K, Miura S, Mori-Abe A, et al.
    • 雑誌名

      Gynecol Obstet Invest 60

      ページ: 162-166

  • [雑誌論文] Growth factors change nuclear distribution of estrogen receptor-alpha via mitogen-activated protein kinase or phosphatidylinositol 3-kinase cascade in a human breast cancer cell line.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi T, Ohmichi M, Kawagoe J, Ohshima C, Doshida M, Ohta T, Saitoh M, Mori-Abe A, et al.
    • 雑誌名

      Endocrinology 146

      ページ: 4082-4089

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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