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2005 年度 実績報告書

子宮内膜症におけるNK細胞と関連因子-異所性子宮内膜の増殖と卵巣機能への関与-

研究課題

研究課題/領域番号 16790978
研究機関大阪医科大学

研究代表者

日下部 健  大阪医科大学, 医学部, 助手 (20319536)

キーワード子宮内膜症モデルハウス / DNA microarray / CXCL10 / M-CSF / EP3
研究概要

前年度のマウス子宮内膜症モデルからのDNA microarray解析によって検出された、子宮内膜症関連因子の有用性をヒト病理組織で検索した。その結果、CXCL10ケモカイン、macrophage-colony stimulating factor (M-CSF)が、正常組織に比べ、腺筋症組織の腺上皮において強く発現していた。カルシウム代謝に関わるcalbindin-28Kについては、マウスモデルでは発現増強が見られたが、ヒト腺筋症組織では変化が認められなかった。一方、アロマターゼ活性を抑制し、子宮内膜細胞の増殖を制御しているといわれるProstaglandin E2 receptor subtype EP3 (EP3)は、マウスモデルと同様に腺筋症組織でその発現が低下していた。
これらの因子の発現量が子宮内膜の異所性増殖に伴い、どのように変化するのかを調べるために、培養系で実験を行った。マウス子宮から上皮細胞を分離し、体外培養を続けると、増殖するとともに管腔様の構造を形成した。この上皮細胞を経時的に回収し、RNAを抽出してリアルタイムPCR解析を行うと、細胞増殖と管腔形成の時期に合わせてM-CSFの発現が亢進していた。
本研究では、マウスの病態モデルより、子宮内膜症に関連する新たな候補遺伝子を検出し、それらがヒト病理組織へ適用できることを確認した。特に、M-CSFは腺上皮の異所性増殖、管腔構造の形成、つまり嚢胞性の子宮内膜症病変の形成に関連していることが示唆された。しかしながら、本来、このマウスモデルは外性の子宮内膜症を反映するものであり、厳密に分類すると、腺筋症はこのモデルの外挿対象としては不十分な病変である。そのため、現在、卵巣周囲の子宮内膜症病変について追加解析を行い、更なる分析を行っている。

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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