アミノグリコシド誘発性難聴患者におけるミトコンドリアDNA12SrRNAの3'端から2つ目のstem loop基部付近の遺伝子検索を行い、現在までにアミノグリコシド誘発性難聴原因遺伝子として同定されているミトコンドリアDNA1555アデニン->グアニン変異以外の新しい変異検出を目的として、アミノグリコシド系抗生剤投与後に感音性難聴、耳鳴、平衡機能障害を発生した患者および血縁者の同領域の塩基配列を調査してきた。 研究代表者(谷本)がストレプトマイシン投与後に耳鳴を発症した患者から新たに同定したミトコンドリアDNA12SリボゾームRNA内の遺伝子変異1556シトシン->チミンについて、平成16年5月に第105回日本耳鼻咽喉科学会(広島市)で「ストレプトマイシン誘発耳鳴日本人患者で見つかった新しいミトコンドリア遺伝子変異」として口演した。またストレプトマイシン投与後に難聴、耳鳴が発症し、さらにその後も難聴、耳鳴が悪化する患者からミトコンドリアDNA1555アデニン->グアニン変異の存在を確認した。同遺伝子変異を有する患者、家族に対して行った遺伝カウンセリングについて、平成16年12月に第148回日本耳鼻咽喉科学会兵庫県地方部会(西宮市)で「ストレプトマイシン難聴者の遺伝カウンセリング症例」として口演した。
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