アミノグリコシド誘発性難聴患者におけるミトコンドリアDNA12SrRNAの3'端から2つ目のstem loop基部付近の遺伝子検索を行い、現在までにアミノグリコシド誘発性難聴原因遺伝子として同定されているミトコンドリアDNA1555A->G変異以外の新しい変異検出を目的として、アミノグリコシド系抗生剤投与後に感音性難聴、耳鳴、平衡機能障害を発生した患者および血縁者の同領域の塩基配列を調査してきた。 内耳障害が原因となる良性発作性頭位めまい症に対して近年理学療法が行われることが増えてきた。研究代表者(谷本)はそのうち一側性後半規管型良性発作性頭位めまい症に対しての自宅での自己理学療法効果を、前向きランダマイズ研究を行った。外来での理学療法に自宅での自己理学療法の組み合わせ治療を行われた群では、外来での理学療法のみの群に比べて、治療効果が高いという結果が得られた。その内容をNeurology2005年10月25日号で発表した。 また導管内乳頭腫は稀な良性腫瘍であるが、頭頸部領域では口腔内に発生することが多い。導管内乳頭腫が耳下腺内から発生することは極めて稀で、さらに耳下腺の導管であるステンセン管からの発生は今まで1例の報告があるのみである。研究代表者(谷本)はステンセン管に発生した導管内乳頭腫の1例と頬部良性腫瘍の診断と治療についてJournal of Otolaryngology 2005年12月号で発表した。
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