研究課題
数値計算の結果、もっとも適当であると推定された部位に骨導超音波振動子を配置し、a)呈示された骨導超音波の搬送波周波数の違いを弁別することが可能であるか。b)骨導超音波が呈示されたとき、蝸電図が測定可能であるか。c)骨導超音波を呈示することによって、耳鳴をマスキングする効果があるか。などについて脳機能計測や聴覚心理実験、蝸電図検査等を行うことにより検討をした。その結果、a)搬送波周波数の違いを弁別することが可能であった。このことは、信号波だけでなく、搬送波にも情報を含ませることができることを示しており、骨導超音波補聴器の情報伝達量の増大が可能であることを示唆している。b)骨導超音波を呈示したとき、気導可聴音を呈示したときと類似した蝸電図波形が観測されることが確認された。このことは、骨導超音波知覚に蝸牛、聴神経経路が関係していることを示唆している。また、骨導超音波の安全性について検討する上で、蝸電図を指標として使用できることも示唆している。c)耳鳴患者に対する治療法の一つとしてマスカー療法というのがあるが、骨導超音波を耳鳴患者に呈示することにより、気導可聴音をマスカーに用いる従来法に比べて、より低い音圧でより高いResidual Inihibitation(RI)出現率およびRI持続時間が観測されることが確認された。このことは、骨導超音波が重度難聴者の補聴のみならず、耳鳴患者の耳鳴低減にも寄与する可能性が示唆された。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
The Twenty-Eighth Annual Midwinter Research Meeting of the Association for Research in Otolaryngology Vol.29
ページ: 167
第106回日本耳鼻咽喉科学会学術講演会予稿集 Vol.108 No.4
ページ: 489
ページ: 441
第50回日本聴覚医学会学術講演会予稿集 Vol.48 No.5
ページ: 439-440
ページ: 441-442