研究概要 |
マウス水晶体上皮細胞αTN4株を、培養液として無血清および10%牛胎児血清添加イーグル培養液とそれにL-glucoseを添加したものを用いて、培養した。Smadシグナル伝達の惹起するリガンドであるTGF-β各アイソフォームとそれに対する中和抗体(R&D社)、シグナル伝達を阻害するMAP kinase inhibitor、PI3 kinase inhibitorを培養液へ添加し、細胞の上皮・間葉系移行に対する影響を検討した。各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ケラチン、ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)を免疫組織化学で検討した。双方の群で免疫組織化学的陽性反応がみられ、定量のためにウエスタンブロットを行った。ウエスタンブロットではバンドが鮮明にでず、手技の確立や泳動、転写時の溶液を変更するなどさらに正確な定量を行う予定である。 マウス水晶体を摘出し正常および高血糖培養液下で器官培養を行った。2週間後に取り出しパラフィン切片を作成し、各種細胞外マトリックス成分〔コラーゲンI,III,IV,V,型、フィプロネクチン〕、各種細胞骨格蛋白質と細胞間接着分子(ビメンチン、α平滑筋アクチンと各種カドヘリンなど)を免疫組織化学で検討した。両群で形態に変化なく、免疫学的にも差異は認められなかった。今後、動物種や手技(TGF-を加えるなど)の変更が必要であり、さらなる検討を行う予定である。
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