研究概要 |
網膜前駆細胞から視細胞への運命決定を司る新規遺伝子の発見を目的にDNAマイクロアレイを用いて、遺伝子スクリーニングを行った。Crxプロモーターによって制御されるOtx2コンディショナルノックアウトマウス(Nishida, A et al. Nat Neurosci 6:1255-63,2003)においては、視細胞の発生がほぼ完全に抑制される。そのため、Otx2コンディショナルノックアウトマウスでは網膜前駆細胞から視細胞への運命決定を司る遺伝子群が発現抑制されている可能性が高い。この点に注目し、Otx2コンディショナルノックアウトマウスの網膜遺伝子発現プロファイルを同腹子のコントロールマウスと比較した。解析に用いたマイクロアレイはAffymetrix社のGene chip mouse genome 430 2.0 arrayである。このアレイは、重複も含め45101の遺伝子を搭載している。すなわち、ほぼすべてのマウス遺伝子の発現プロファイルを一度に解析できるという特徴がある。プロファイル解析は生後0日目を1回、生後12日目を3回施行した。生後12日では3回とも有意に発現抑制されていた遺伝子は281あり、これらの遺伝子のうち網膜における詳細な機能解析がなされていない遺伝子を抽出し、in situハイブリダイゼーション法を用いて、更に詳細な検討を加えているところである。特に注目を引く遺伝子に関してはノックアウトマウスも作成中である。
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