研究概要 |
ASNS遺伝子の発現系の構築 実験着手後、アスパラギン合成酵素(ASNS)遺伝子の塩基配列より、ORF(オープンリーディングフレーム)を壊さない配列を選択し、合成プライマーを作製した。Raw 264.7細胞よりtotal RNAを抽出し、RT-PCR法によりASNS cDNAを増幅させた。当初、得られたRT-PCR産物をTAクローニング法によるクローニングを試みていたが偽ASNS cDNAを含むクローンばかりが得られ、目的の全コーディング領域を含むクローンが得られなかった。そこでプライマーの配列を変更し、2種類の制限酵素(Xba I, Kpn I)配列を付加してRT-PCRを行い得られたRT-PCR産物を制限酵素で消化しpUC19プラスミドに組込み、大腸菌を用いて精製した。現在、そこから得られた全コーディング領域を含むASNS cDNAを回収し、発現ベクターにASNS cDNAを組込み、Raw 264.7細胞に導入してASNSの強制発現させる系の構築を準備している。 ASNS遺伝子の発現抑制 全コーディング領域を600から700塩基対ごとの3個の領域に分け、それぞれの領域を増幅するT7配列を付加したプライマーで増幅後、T7 RNA polymeraseによりdsRNAを作製、RNase IIIによりヘテロジニアスなsiRNA (hsiRNA)に消化した。Raw264.7細胞に各領域のhsiRNA (20pmol)をLipofectamine2000を用いて添加し培養後、total RNAを抽出しRT-PCRを行った。2番目の領域のhsiRNAを添加した時に約25%の発現抑制が観られた。現在、より適した配列の検索と共に導入効率を高める方法を模索している。
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