研究概要 |
ASNS遺伝子の発現系の構築 アスパラギン合成酵素(ASNS)遺伝子の塩基配列より、Raw 264.7細胞よりtotal RNAを抽出し、2種類の制限酵素(Xba I, Kpn I)配列を付加したプライマーを用いてRT-PCR法により全コーディング領域を含むASNS cDNAを増幅させた。得られたRT-PCR産物を制限酵素で消化しpcDNA3.1 CT-GFPプラスミドに組込み、大腸菌を用いて精製した。現在、得られたプラスミドを制限酵素で切断し、Raw 264.7細胞に導入後、アミドグリコシド系抗生物質(G418)による選択を行いASNSの安定発現系を構築している。 ASNS遺伝子の発現調節機構の解析 ヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)を用いて12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)によりマクロファージ様に分化誘導させたところ、濃度依存的にASNS mRNAが減少した。このmRNAの発現の減少は、PKC及び、3種類(MEK, JNK, p38)のMAPKの阻害薬を用いた実験からPKCとMEKを介して起きている事が判明した。そこで現在、ゲノムデータベースよりヒト及びマウスASNS遺伝子のプロモーター領域を解析して発現調節に関わると予想される領域を選択した。抽出したゲノムDNAよりPCR法により増幅し、発現調節機構の解析のためのレポーターシステムを構築している。
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