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2004 年度 実績報告書

口腔細菌が形成した病原性バイオフィルムの効果的破壊法の提示と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 16791154
研究機関新潟大学

研究代表者

竹中 彰治  新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50313549)

キーワードbiofilm / resistance / CLSM
研究概要

1)Peptostreptococcus anaerobius biofilmsの酸素耐性
In vivoにおいて細菌は生体自身やカテーテルなどの医療材料に付着、定着し、glycocalyxと呼ばれる菌体外多糖を産生しbiofilmを形成することにより菌単独の場合よりもはるかに抵抗性を獲得する。そのため、in vitroにおいて十分な殺菌力が認められる抗菌剤を用いてもしばしば再燃を繰り返し難治化することが問題となっている。本実験は偏性嫌気性菌がbiofilmを形成することにより酸素に対してどの程度抵抗性を獲得するかを検討した。
少量の液体培地が細菌叢に供給されるよう工夫した人工biofilm modelを作製し、難治性根尖病巣からしばしば検出されるPeptostreptococcus anaerobiusを嫌気グローブボックス中でTSB培地を供給しながら培養し細菌ろ過膜上にバイオフィルムを形成させた。バイオフィルム形成後TSB培地をリン酸緩衝液で置き換え、好気条件下で大気への被爆による細菌の生死を蛍光染色し共焦点レーザー顕微鏡を用いて解析したところ以下の結果を得た。
a)Peptostreptococcus anaerobiusを始めとする偏性嫌気性菌の一部の菌は生体活性により蛍光を発する蛍光色素(SYTO9)で染色されない。そのため本実験ではPIと位相差像を組み合わせて生存率の判定を行った。
b)24h後の酸素耐性(生存)率は、biofilmにおいて96.2%、floating bacteriaにおいて66%であった。このことはPeptostreptococcus anaerobius biofilmは、高い酸素耐性をもち、また難治性根尖病巣において多くの細菌はbiofilmを形成することで抵抗性を亢進するため現在広く行われている根管治療法では除菌されない症例が存在する可能性があり、効果的な破壊法をin vitro, vivoを通じて確立、応用することが必要である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Aerotolerance of Peptostreptococcus anaerobius Biofilms2004

    • 著者名/発表者名
      Takashi FUKUDA
    • 雑誌名

      Microbial Ecology in Health and Disease 16(4)

      ページ: 205-210

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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