1)培養骨の作製 (1)骨芽細胞様細胞 ラットの大腿骨を摘出して骨髄細胞を採取し、培養して、骨芽細胞様細胞への分化誘導をかけた。骨芽細胞様細胞への分化は分光光度計によるアルカリホスファターゼ活性の測定やアリザリンレッド染色などで確認し、誘導をかけたことで骨芽細胞様細胞に分化していることを確認した。 (2)細胞の足場となる生体材料 β-TCPやハイドロキシアパタイトなど質の異なるものを使用し、その形態も顆粒や多孔性ブロックなど異なるもの、多孔性ブロックは気孔率の異なるものをいくつか用いて、骨髄細胞をそこに播種し、培養骨を何種類か作製した。それらを固定して標本を作製し、組織学的に観察して、最も細胞の状態がよくて操作性もよい生体材料を選んだ。また、細胞がうまく生体材料内に入り込むように播種の仕方を工夫した。 2)ラットの背部皮下への移植 実験群1:骨髄細胞を生体材料に播種し、骨芽細胞様細胞への分化誘導をかけて作製した培養骨を移植 実験群2:骨髄細胞を生体材料に播種し、骨芽細胞様細胞への分化誘導をかけずに作製した培養骨を移植 コントロール群:生体材料のみを移植 →これを経時的に屠殺して移植部をカメラで撮影後に採取し、固定して、標本を作製して組織学的に観察し、骨形成の程度を比較したところ、実験群1では骨が形成されているのが観察された。実験群2、コントロール群では骨は形成されていなかった。また、実験群1では経時的に骨の形成量が増加していくのが観察された。
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