研究概要 |
1.H16年度計画の追加実験(ウサギ慢性顎関節炎モデルへの抗TNF-α抗体投与量の検討) 研究者らが開発したウサギ抗原誘発顎関節炎モデルに対する抗TNF-α抗体投与量を変化させ実験を継続させた.その結果,最適投与量について知見を得ることが出来たが,効果に対する個体差が大きく,原因を検証中である.また,本モデルについて顎関節におけるアポトーシスとTNF-αの消長との関係については,論文発表を行った(J Oral Pathol Med,2006). 2.抗TNF-α抗体の発現ベクターの作製 抗TNF-α抗体遺伝子をGreen Fluorescence Protein(GFP)発現遺伝子を含むプラスミドベクターに遺伝子を組み込み,培養した滑膜細胞で発現を確認した. 2.エレクトロポレーターによる遺伝子導入 現有のエレクトロポレーターを用いて、効率良く遺伝子導入できる実験系の確立を行った.In vitroにおいて,導入効率はウィルスベクターに劣るためさらに改良を加える予定である. 3.正常ウサギ顎関節への遺伝子の導入 予備実験としてウサギ顎関節におけるエレクトロポレーターによる電気刺激の影響を調べるため,遺伝子導入電圧を20ボルト,4回パルスの設定で電圧をかけたところ,個体によっては一時的失明および心停止症状を認めたため,設定を検討中である.皮膚からの側副伝導路による電流の漏出も原因のひとつと考えられたが,プローブの改良も必要と考えられた.この問題を解決後に実際の遺伝子導入を行う予定である.
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