BALB/cマウス(6-8週齢)のwhole splenocytesを分離、in vitroで培養し、splenic T cellsをConAまたは抗CD3抗体で活性化した。活性化によってCD137の細胞表面発現が亢進していることをflow cytometryで確認した。これらの細胞でBALB/cマウスを免疫し、抗CD137抗体産生マウスを得ようと試みたが失敗したため、activated splenocytesからCD137 affinity columnで抽出したCD137分子を用いて免疫を行った。末梢血の血清で抗CD137抗体の産生が確認されたマウスよりsplenocytesを分離し、cDNAライブラリを作製、CD137抗体をエンコードする遺伝子をクローニングした。現在、完全長CD137遺伝子を組み込んだアデノウィルスベクターを作製中である。 BALB/cマウス顎下腺thyoglycolate(TG)を局所注射して誘発するマウス実験的唾液腺炎モデルを確立し、唾液腺前駆細胞(SGPCs)の株化を試みたが、長期培養に耐える細胞株の樹立は成功しなかった。そこで、自己免疫性多発性外分泌腺炎を自然発症し、Sjogren症候群に見られるのと同様の唾液腺炎を起こすNODマウスを材料とし、自己免疫疾患治療薬として注目されるthalidomideによる治療モデルを構築、SGPCsの分離と株化を行っている。 唾液腺炎において特異的に発現増強されている遺伝子を検索するため、Affymetrix社のGeneChip Systemを用いて、TG実験的唾液腺炎およびNODマウス自己免疫性唾液腺炎における遺伝子発現プロファイルの解析を行った。その結果、IL-1RA、IL-6、IL-12、MHC class IIなどの免疫機能関連因子の他、MMP遺伝子群など組織分解・修復に関連した遺伝子の発現増強が認められた。現在、RT-PCR法で2次解析を行っており、これらの中から再生治療用promotorとして適当な遺伝子を選定する予定である。
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