研究概要 |
小児を対象にP.gingivalis fimA genotypeの同定を行った報告は見当たらないため,歯周病原性因子であると示唆されているP.gingivalis fimA genotypeの同定を行い,比較検討することを目的とした。 対象は2歳から15歳の小児400名,健康歯肉群134名,歯肉炎群239名および歯周炎群27名とした。 1.PCR法によるP.gingivalisの検出 プラークサンプルは全萌出歯から滅菌歯ブラシを用いてブラッシングすることにより採取した。採取したプラークはDNA抽出後,PCR増幅を行った。 P.gingivalisの検出された小児は,健康歯肉群134名中2名(1.5%),歯肉炎群239名中24名(10.0%)および歯周炎群27名中8名(29.6%)であった。P.gingivalisは健康歯肉群,歯肉炎群と比較し,歯周炎群において有意に多く検出された(x^2検定,P<0.01)。 2.P.gingivalis fimA genotypeの同定 P.gingivalisの検出された小児を対寒にP.gingivalis fimA genotypeの同定を行った。 type Iは健康歯肉群,歯肉炎群および歯周炎群すべてにおいて検出されなかった。それに対し,type IIは健康歯肉群において1名(50.0%),歯肉炎群において7名(29.2%),および歯周炎群において2名(25.0%)から検出された。 現在,P.gingivalisの検出された小児を対象に引き続きP.gingivalis fimA genotypeの同定を行っている。
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