研究概要 |
平成16年度は、Cultural Competent Careにおいて先進的な役割を果たしている、欧米諸国のCultural Competent Careの認識と実態に関する調査を行った。対象は、医療情報国際会議(MEDINFO2004 in SF)の参加者のうち、調査に同意の得られた200名をとし、倫理的配慮のもとで平成16年9月に実施した。全体で、62件、31%の有効回答率を得た。回答者の国籍は、北米67.7%,ヨーロッパ諸国19.4%,アジア諸国8.1%,その他4.8%であった。学歴は、修士以上が約90%を占めていた。職種は、医師12.9%,看護師,58.1%,その他の医療従事者8.1%,学生その他21.0%であった。 回答者の48.5%が、1名以上の異文化背景を持つ患者に毎日ケアを提供しており、その中の16.7%は、10名以上に毎日ケアを提供していた。回答者の90.3%は、患者に対しCultural Sensitiveなケアの提供が必要であると認識していたにもかかわらず、回答者の働いている施設の62.9%しか、Cultural Sensitiveなケアの提供されていないという回答を得た。施設において実施されているケアで最も多かったものは、各国の言語に対応した通訳を24時間体制で提供していることであった。また「文化背景が違っても患者情報のプライバシーに関する考え方は同じであると思うか」の問に対し、35.5%が「同じであると思う」と回答しており、個人的レベルではCultural Sensitiveなケアを必要と思っているが、Cultural Sensitiveケアの内容、意味はそれぞれ認識が違うのではないかということが示唆された。
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