研究概要 |
【研究目的】 臨地実習,特に病院での看護学実習におけるインフォームドコンセントの現状と今後の課題を検討するため,本年度は,1:看護学実習への協力に対する患者の意向,2:実習依頼時に患者が希望する情報を明らかにする目的で調査を行った. 【研究方法】 調査対象・方法:入院経験のある患者またはその家族を調査対象とし,患者会15団体へ文書にて調査を依頼した.7団体から調査協力の可否について返信があり,調査協力の得られた5団体に調査票配布を依頼した.各団体を通じ,435名へ調査票を配布した. 調査内容:(1)対象者背景(年齢、性別、入院経験、看護実習協力経験),(2)看護学実習協力への意向(選択式),(3)看護学実習への協力を検討する際に必要な情報(選択式),(4)看護学実習への協力経験の認識(選択式) 【結果概要】 現段階での回収数は183(回収率:42.1%)であった(回収継続中). (1)対象者属性 年齢:平均61.0(SD±11.7,27-90)歳,性別:男性30.9%,女性69.1%,実習協力経験:49.7%に経験があった. (2)看護学実習協力への意向 「ぜひ協力したい」「できれば協力したい」との回答を合算すると89.1%だった.「できれば協力したくない」が10.4%,「絶対に協力したくない」が0.5%だった.協力したくない最多理由は「治療に専念したい」だった. (3)看護学実習への協力を検討する際に必要な情報 「トラブルが生じた場合にどうするのか」の回答割合が最も高く,回答者の90.2%だった.次に「学生が何をするのか」が85.2%,「学生が一人でするのか,指導者とするのか」が78.1%,「協力する期間・時間」が74.9%だった. (4)看護学実習への協力経験の認識 協力経験を持つ者の64.4%が喜んで協力したと回答し,10.0%は遠慮して断れなかったと回答した.63.3%が協力して良かったと回答し1.1%が後悔したと回答した.
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