本年度は予備調査として、「妊娠過程において妊婦が満足した夫のサポートの特質」に関する研究(群馬大学大学院修士課程、中島久美子)において質的帰納的に抽出された「夫のサポート」の項目に基づいて「妊娠期の母親になる過程を支える夫のサポート尺度」(予備調査版)を作成した。予備調査版質問紙の作成においては、先行研究で抽出された9カテゴリ88項目について、少数意見を削除及び内容を吟味した項目を、妊娠末期の初妊婦1名と第1子出産後1ヶ月以内の母親2名、および母性看護の専門家3名の意見を聞き、質問内容の再検討を行った。その結果、「妊婦が満足と感じる夫のサポート」41項目を採択し、得られた項目に対して「1全く思わない」「2あまり思わない」「3どちらでもない」「4ややそう思う」「5非常にそう思う」の5段階評定の「夫のサポート」質問紙を作成した。この質問紙を用いて、妊娠経過が順調であり、かつ婚姻、内縁を問わず夫がいる初産婦を対象に調査を実施した。県内の総合病院1施設、クリニック2施設に研究の了解が得られ、産科外来の妊婦健診時に、妊娠初期・中期・末期の妊婦各150名の協力を得た。質問紙の内容は、妊娠期に夫の行動や態度が満足と感じられたかどうかを問う41項目、および、妊婦及び夫の年齢や職業、家族構成などの属性である。回収後、その信頼性と妥当性を検討、並びに妊娠各期の尺度得点を比較する。それにより、妊婦の母親になる過程を支える夫のサポート、及び妊娠各期におけるサポートの変化を検討できると考える。
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