糖尿病患者の自己管理におけるパターンマネージメントの実態とその支援方法をについて明らかにする研究を行うにあたって平成16年度は、下記を実施した。 1.文献によるパターンマネージメントの支援方法の検討 American Association of Diabetes Educators (AADE)より出版されている「A Core Curriculum for Diabetes Education fifth edition」の"Pattern Management of Blood Glucose"の章やその他パターンマネージメントに関する欧米で行われている研究論文を糖尿病看護の経験を持つ看護実践者(参加者10名前後)に2回に分けて紹介し、意見交換を行った。意見交換の中では、米国のパターンマネージメントは、血糖値の変化のパターンを捉えた上インスリン量の調節を行うことを検討することがその考えの中心であると考えられ、看護師だけでなく、医師との共同が必要であり、医療者間でもパターンマネージメントの考え方についての共通理解を得ていくことも課題となること、パターンマネージメントとして患者自身は意識していなくても、自分の生活のパターンをつかんで自己管理している人や血糖の変化の法則を患者さんなりにつかんで自己管理に生かしている人が現場では見うけられるなどの意見が出され、支援方法についての示唆を得ることが出来た。 2.事例によるパターンマネージメントの支援方法の検討 糖尿病看護の経験を持つ看護実践者より提供された事例をもとにパターンマネージメントの支援方法について事例検討を3回行った。その意見交換の中で、血糖値の変化や悪化の原因を探るとき、パターンマネージメントの考え方をもとに多角的な原因追及を行うことで、一面的、画一的な捉え方を避けることができる、患者が「なんとなく」行っているパターンマネージメントを明らかにすることでその方法を意識化できより有効に自己管理に活用していくことができるのではないか、その人にとってのパターンを明らかにするあるいは見つけるプロセスが重要な支援となるのではないかなど具体的な事例を通して考えることができた。 1.2.の検討をもとに研究方法を具体化し、部局の倫理審査の承認を得て、現在データ収集を行っている段階である。
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