2004年度:菌株は、本学附属病院より分与および市中病院環境中より分離したものを使用した。まず、パルスフィールド電気泳動(PFGE)に供する染色体DNAの調整に際し、試薬としてCHEF Genomic DNA Plug Kits (Bio-Rad Laboratories)と教室で調整した試薬の二つを用いて現在一般に行われているRFLP法の溶菌手順および試薬の検討を行い、操作の相違、日数およびコストの比較を行った。また、電気泳動にはCHEF DR II (Bio-Rad Laboratories)を使用し、CCDカメラを用いて画像データをイメージファイルとして取り込んだ。その結果、MRSA・腸管出血性大腸菌・腸球菌については、ほぼ同様の試薬の使用が可能となり、溶菌手順の検討においても従来であれば5〜6日要していた手順から約2日短縮することが可能となった。また、市販の試薬と教室作成の試薬間の検討に関しては、コスト面において市販の試薬が圧倒的に高価であるものの、試薬作成には時間と手間がかかりさらに試薬数が市販試薬に比して多いというマイナス面もみられた。しかし、一度作成した試薬は市販の試薬に比べ、数倍の検体を処理できるという面から考えると試薬を作成した方が有益であり、試薬内容のさらなる検討の余地はあると考えられる。また、泳動条件については菌種によって異なるため、現在の段階検討を行っている段階である。また、レジオネラ菌に関しては、いまだ実験途中であり、2005年度も引き続き検討していく予定である。
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