【目的】初回虚血性心疾患患者は、退院後にどのような取り組みをしているのか、さらに、男性と女性で比較すると共通点と相違点はどのような特徴があるのか明らかにすることを目指すものである。 【文献検討】虚血性心疾患患者の病い体験や生活行動に関することを中心に、国内外の文献検索及び検討を行った。患者は病い体験を通して病いの意味づけを行うが、これは今後の生活や療養のしかたを考え、実行していく上での動機づけになることも報告されている。また、虚血性心疾患患者の身体的・感情的症状や病いの体験には、男女で相違があることが注目されてきており、特に海外では男女を比較したものや女性患者だけに焦点を当てた研究が増えている。男女の違いには、社会的役割や多くの虚血性心疾患女性患者は男性より遅く発症することなど年齢の違いが影響を及ぼすことが推測されているが、国内での研究はまだわずかであり、引き続き文献検討を行う必要がある。 【データ収集】調査方法と手順について本大学病院臨床研究倫理委員会で承認をえた。対象者への研究依頼は、退院を控えた入院中に行い、半構成的面接は(1)退院後初回外来受信時(2)退院後2〜3ヶ月目の外来受診時の2回行う予定とした。現在、データ収集と分析を行っている最中であるが、患者は心臓病者としての取り組みを行っており、家族・職場など患者を取り巻く支援状況や身体的・精神的症状などが関係していることが考えられた。初年度は対象者が少数であったため、今後対象者確保にむけ協力施設の拡大を図り、男女の比較も行っていく予定である。
|