研究に関連する文献検索、文献検討を重ね、思春期の学生の性の悩みや思春期相談に関する内容および思春期外来受診の理由については、いくつかの調査がなされているが、医療機関への受診といったコーピング行動そのものの詳細な調査やこれらの行動に伴う不安感などを精神的、社会・経済的視点も含めて調査を行った研究はほとんど見られていないことを確認した。そこで、改めて、思春期の学生におけるセクシュアル・ヘルス問題に対してのコーピング行動である専門家への相談や医療機関への受診行動の実際を明らかにすることによって、学生の身体的、精神的、社会・経済的側面への影響を検討し、学生の受診行動向上への示唆を得るとともに、セルフケア能力を高めるための看護や性教育を提示することを研究目的として掲げた。研究概要としては、婦人科・泌尿器科および思春期外来を受診する高校生・大学生、男女各30名程度を対象に個別面接聞き取り調査、一般の高校生・大学生、男女各500名程度を対象に、無記名式質問紙集合調査を行うことと計画した。調査書作成にあたっては、対象が高校生・大学生でセクシュアリティに関する事項を扱うということで、看護系教員だけでなく、教育大学教員、教育学部心理学教室教員に助言をもらい作成した。
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