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2005 年度 実績報告書

10代妊娠で認める「中絶後症候群」に対する精神的・身体的ケアについての研究

研究課題

研究課題/領域番号 16791405
研究機関山口県立大学

研究代表者

木戸 久美子  山口県立大学, 看護学部, 助教授 (40269080)

キーワード人工妊娠中絶 / 思春期 / 精神的な障害 / 身体的な傷害 / 看護職 / 日本 / 中国北京市 / 国際比較
研究概要

[目的]昨年度、日本における10代の中絶経験者における精神的・身体的障害の有無を医療関係者へのヒアリングにより実態を明らかにしたので、本年度は、アジアの近隣の国における10代中絶経験者における精神的・身体的障害の有無と日本の実態を比較し、日本における10代の中絶経験者の精神的・身体的障害の特徴を明確にすることで援助のあり方を検討することを目的とする。
[方法]対象:中国北京市内の中絶を実施している病院118施設に勤務する看護職118名
郵送法による自記式質問紙法にて調査を実施した。回収されたデータの統計処理にはSPSSVer13.0を使用し、有意水準は5%とした。
[結果]中絶後に定期受診以外で病院を受診する割合については全く受診しないとの回答は10人(8.5%)と少なかった。受診理由は、身体的な不調が71人(60.2%)と最も多かった。中絶後に鬱症状を呈していた事例を経験した者は56人(47.5%)だった。思春期世代の中絶後の継続的なケアの必要性について、感じたことがあるとの回答が114人(96.6%)と多かった。実際に継続したケアを行った者は64人(54.2%)、行わなかった者は54人(45.8%)だった。思春期世代に求められていると思われるケアとしては「家族との仲介役」および「避妊指導」が挙げられた。これらについて看護職の属性でロジスティック回帰分析を行った結果、職能別のみ有意で、助産師のオッズ比が7.27(95%Cl:2.21-23.83)および4.17(95%Cl:1.06-16.31)と高かった。
[考察]中国北京市で思春期世代の中絶に関わる看護職は、この時期の若者の中絶後に身体的・心理的なダメージがあると認識しており、継続的なケアの必要性を感じているが実際にはできていない状況がうかがえた。また助産師では専門的な関わりを希望していた。本結果は本邦における結果とも類似しており、両国ともに、思春期という世代特有の関わりにくさ、看護者による介入システムが医療機関にないことなどが介入を阻害している要因として明らかになり、助産師をキーパーソンとしたこれらへの取り組みが今後の課題であることが明確になった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 思春期世代の人工妊娠中絶経験者における精神的な障害および身体的な傷害の有無とその実態に関する予備的研究2006

    • 著者名/発表者名
      木戸久美子
    • 雑誌名

      山口県立大学看護学部紀要 10巻1号

      ページ: 3-7

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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