在宅酸素療法患者の自己管理能力を評価するために、先行研究を参考に作成した調査票を使用し、外来通院している高齢者に22名に対して面接調査(予備調査)を行った。調査項目は、基本属性、生活行動(食事、排泄、入浴、感染予防、呼吸法など)、一般性自己効力尺度等であった。その結果、自己効力感と生活行動にはやや相関が見られ(r=0.371)、在宅酸素療法患者の自己管理(この研究では、自己効力感や生活行動を指標としている)に影響を及ぼす因子として性別や同居家族の有無が抽出された。また、対象の生活行動の傾向も明らかになった。これらの結果を踏まえ、研究協力者と調査内容について再検討したところ、(1)自己管理に影響を及ぼす因子が2項目と不十分であり、外来教育プロトコールを作成する際にその特徴を生かすのが困難である(2)調査に要する時間がかかり対象者への負担が大きく、また調査対象数確保のためには調査方法を見直す必要があることがわかった。調査方法としては、片道郵送法(回収のみ郵送)を用いることとし、調査方法の変更に伴う回収率の減少に対応するために、研究協力をしていただける施設の開拓を行った。調査票は、文献検討した結果と予備調査で得られた結果、対象の特性を踏まえ、基本属性や生活行動の項目、自己効力感尺度を一部修正し、また、新たに慢性疾患の自己管理能力に影響を及ぼす因子として報告されている生活充実感の尺度を一部修正し加えることとした。 また、本年度購入したライフコーダーの実験条件を検討するために予備実験を行い、条件検討を行った。ライフコーダーに関しては、当初計画していた条件通りで行うことが可能であるということがわかった。パルスオキシメーターの実験条件については、現在検討中である。
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