本研究の目的のひとつは、妊娠期を通じて、対象者自身が生活活動量を測定することによって対象者の妊娠経過および健康に対する認識と行動化へ寄与するか明らかにすることである。子年度は引き続き、生活活動量の測定方法について検討した。1つの方法として、加速度計(ライフコーダEX)を用いた歩数および活動量の実測があり、プレテストを実施した。また、もう一つの方法として、今年度は調査票により生活活動量を測定する方法を検討した。先行研究によると具体的な運動については、自記式でもインタビュー形式でも妥当性にほとんど違いはないことが明らかになっている。しかし、生活活動量については明らかになっていない。第一段階として、日記法を用いて実施したが、どの生活行動を記述するのか明確にならず、対象者によってバラツキがでることが考えられた。第二段階として、主な生活行動を項目として列挙した記録用紙を用いたが、対象者の生活パターンが多様であるため、該当する項目が少なく一定の記録用紙は完成しなかった。主に座位の行動や不活動が生活行動の大半を占める対象を想定しているため、質問紙による測定が困難であった。 セルフモニタリングは単独あるいは、別の手法と組み合わせて、個人の行動変容を促す認知行動的介入のひとつの技法である.その有効性は一般成人においては、多く先行研究において確認されている。また、必ずしも目標に設定どおりの行動をとることができずに、やり損なったときめ罪悪感を感じたり、逆戻りの生活行動に戻らないような予防的な措置が必要ともいわれている。妊婦を対象とした場合は、失敗体験として受け止めることや実施しなかったことが児への罪悪感へつがることを防ぐための方策を介入にあたって検討する必要があることが明らかになった。
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