16年度は、悲嘆に関する研究と在宅看護・介護に関する研究の文献検討、調査に向けて概念枠組みの作成を行った。 悲嘆に関する研究はこれまでに数多く蓄積されてきた。しかし、先行研究の多くは終末期医療におけるがん患者の死や子どもの死に関するものが中心である。配偶者の死別に関する研究も報告されているが、在宅要介護高齢者と死別した家族介護者の悲嘆や健康状態を明らかにした研究は少数であった。 そこで、(1)在宅要介護高齢者と死別した介護者の悲嘆、健康状態を縦断的に把握する。(2)死別後の介護者の悲嘆、健康状態に関連する要因を明らかにする。(3)病的悲嘆を予測する要因を明らかにする。以上の3点を目的に調査を計画した。調査対象は在宅要介護高齢者を介護していた家族で、被介護者の死別により介護を終えた家族介護者とした。宮城県内の8ヶ所の訪問看護ステーションより協力を得、被介護者を看取り終えた家族介護者を対象に平成17年3月に第一次調査を実施した。 次年度は、第一次調査の結果を踏まえて平成17年9月に同対象に対して第二次調査を実施する。
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