| 研究概要 |
医療費削減政策である平均在院日数の短縮の必要性から,病院医療から在宅医療への方向転換が求められている.患者と家族が望む医療が提供される在宅療養が可能となるためには,地域での医療連携などにおいて,特に人工呼吸器や経管栄養などの高度な医療処置を必要とする医療依存度の高い患者へのサポートシステムの充実を図る必要性は高い.そこで本研究では在宅療養において医療依存度の高い患者を対象に,病状やADL,治療や看護,療養環境,社会資源,社会保障などが家族介護者に与える影響を包括的に評価するための介護負担感尺度を開発することが目的である.
初年度である今年度は,医療依存度の高い患者を代表する疾患として筋萎縮性側策硬化症(ALS)患者を対象とし,在宅療養中のALS患者の支援と,入院中で在宅療養へ移行するALS患者の退院調製の支援を通し,病院医療と在宅医療のさまざまな段階における患者と介護者が抱える医療や看護,介護の課題や問題点の分析を行った.そして訪問看護ステーションや患者会の視点からの在宅療養における介護負担感についての情報収集を行い,介護負担感に関連する構成要素の探索を行った.
これらの成果を踏まえ,まもなく山形県内の訪問看護ステーションの事業所管理者と訪問看護師を対象とした在宅療養患者の看護内容に関する調査を行う予定である.そのため山形県との協働のもと,現場との調査に関する調製と計画の段階である.その結果と既存の尺度の質問項目を含めて,質問項目の検討を行う.
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