本研究の目的は、介護保険制度下のケアマネジメントにおいて、介護支援専門員(以下CMとする)が対応困難を生じやすい内容の特徴とCMの支援ニーズ、対応困難を生じているCMに対する行政の保健師による効果的な支援内容を明らかにすることである。平成17年度は、以下について実施した。 居宅介護支援事業所に所属し在宅療養者のケアマネジメントを実施しているCMに対し、ケアマネジメントにおいて対応困難を生じる状況・内容と対応困難を生じた際に必要な支援、今までに対応困難を生じた際に行政の保健師から受けた効果的であった支援内容について郵送による自記式アンケート調査を実施した。調査はN県内の居宅支援事業所278施設のCM693名に調査票を郵送し、340名から回答を得た。(回収率49.1%) CMの属性は、基礎資格は介護福祉士が52.4%、CM以前に在宅介護支援経験がある人は35.3%であった。ケアマネジメントでCMが「大変困難だと思う」と回答した人が多かったのは、「虐待している介護者に対する対応策を考えること」「独居の認知症利用者に対するケアプラン立案」「虐待に対する具体的対応策が必要な時期の判断」であった。また、実際によく経験する困難内容は、「利用者の退院決定からサービス利用開始までの期間が短い場合のサービス調整」、「利用者にサービス利用拒否ある場合のケアマネが必要と思うサービス利用に向けた本人の説得」「利用者の状況変化の際など必要時に主治医と連絡を取ること」であった。 CMが実際に対応困難を生じ、保健師に相談した際に、保健師からうけた効果的であったと感じた支援内容は、実際に事例に共同で関わること、問題解決のための具体的なアドバイス、CMが行っていることへの支持的関わりなどの内容を含むものが多く、一人で対応困難を抱えているCMを直接的・間接的に支援する保健師の関わりの重要性が示唆された。
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