家族介護者の意欲を向上させるレスパイトケアのプログラム開発を目的に行っている。平成16年度は、文献検討による概念の整理・現状の把握を行った。また、データ収集を実施した。データ収集は、1)介護者がレスパイトケアを利用するニーズ、利用を希望する理由やためらう理由・要因、介護者の意欲を高める動機づけやその要因を明らかにする。2)介護者のレスパイト時、在宅療養者が必要としている援助やニーズを明らかにする。ことを目的に、身体障害者手帳1級且つ介護度5の療養者を介護する家族4事例にインタビューを実施した。また、家族事例に関わっているケアマネジャー2名、訪問看護師3名にもそれぞれインタビューを実施した。 その結果、介護者はレスパイトケアにおいて、レスパイト中の療養者の介護の質を保証することや、療養環境の質を保証すること、それによって療養者の身体面及び精神面の安定を重要なニーズとしてあげていた。特に病院への一時入院によるレスパイトケアを経験した介護者達は、レスパイト後の療養者の身体状態の変化や精神面の動揺を問題点として挙げ、現状では一般的な、病院や施設への一時入院・入所いうレスパイト方法に否定的な意見を表していた。一方ケアマネジャーや訪問看護師は、家族の健康状態の維持や介護負担からの一時的緩和を優先されるニーズとしてあげ、レスパイトケアをそのニーズの手段として利用し、家族全体の機能を維持することで、在宅療養継続が得られると捉えていた。 平成17年度は、グループインタビューやアンケートによって更にデータを増やし、分析を進めながら、介護者のニーズに合わせたレスパイトケアプログラムを開発していく予定である。
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